本研究では、MSAS、ロシアのGLONASSに加えて、準天頂衛星の測位精度を検証する実験を、スギ人工林内に設定した0.24haのテストサイトにおいて実施した。その結果、準天頂衛星の補完信号を使った場合に測位誤差の改善はほとんど認められなかった。準天頂衛星の補強信号を使った測位試験を行った結果でも、MSASを用いた場合と測位精度にはほとんど差がなかった。それでも、高仰角の準天頂衛星は、中仰角のMSASと比較してスギ人工林内では受信率が高いという結果になった。ゆえに、中低位仰角から進入する劣化した信号を排除するマルチパス除去機能を備えたGNSSレシーバーを用いることで測位精度の改善が期待できる。
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