研究課題/領域番号 |
24580225
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
田中 和博 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (70155117)
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研究分担者 |
小林 正秀 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 共同研究員 (10468259)
長島 啓子 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40582987)
美濃羽 靖 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (80285246)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 森林管理 / LiDAR / GIS / オルソフォト / リモートセンシング / 単木 / 樹冠 / ナラ枯れ |
研究実績の概要 |
近年、LiDARと呼ばれる航空機レーザプロファイラ技術の普及に伴い、森林管理手法が革新的に変わろうとしている。なぜなら、LiDARデータを解析することにより、高齢林であれば1本1本の立木の樹高や樹冠面積を計測することが可能であるからである。従来は林分を単位として、胸高直径を基盤的情報として森林管理が行われてきた。森林簿も林分を基本単位にしており、森林GISも林分ごとにポリゴンと呼ばれる区画を作成している。しかし、林分を基本単位とする考え方は、人工林経営における皆伐を前提にしたものであり、今日の間伐を主体とする長伐期施業や天然林の管理、さらには、近年被害が広がっているナラ枯れの防除には、情報が粗すぎて有効に機能していない。 本研究では、個々の樹木情報を森林管理の基礎にし、リモートセンシング画像等も活用することによって、レーザ測量時代における人工林の管理体系と異齢混交林の管理体系を、実践的な観点から提案した。また、LiDARデータや衛星リモートセンシングデータから得られる個々の樹木の情報を使って、次の研究を行い、一定の成果を得た。高解像度オルソフォトから得られる樹冠情報の活用、樹木個体計測を目的としたFusion/LDVによるLiDARデータ解析、航空機LiDARを用いた樹冠傾斜角による単木抽出の試み、航空機レーザ計測データを用いたValley-following法による単木抽出手法の開発、高分解能衛星画像を用いた広葉樹の単木的抽出、京都市市街地周辺におけるブナ科樹木萎凋病の拡大要因と発生要因。 現在の技術水準では、LiDARデータや衛星リモートセンシングデータを森林管理に活用できるケースは限られているが、個々の樹木情報を基礎単位とする森林管理体系を提示することによって、現状の問題点や解決すべき課題等を明確にすることができた。
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