樹木のみが獲得した環境適応能力を明らかにするために、草本植物6種,木本植物4種の色素組成,熱放散,光応答について調べた。反応中心ではβ-カロチンがα-カロテンと置換する割合が大きい樹木葉はlutein-epoxide存在比率が高い傾向にあった。さらに、樹木では草本植物に一般的に見られる熱放散機構のキサントフィルサイクル(Xan cyc)に依存したNPQが、暗中において明らか非依存的に変化していた。このXan cyc依存しないNPQ変化の機能を明らかにするために、各葉の光応答性を詳しく調べたが、暗中での高DPSが有利には働いておらず、また、lutein cycleも関与していなかった。
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