火山灰由来および変成岩由来の褐色森林土上のヒノキ林を比較し、土壌中のリン可給性の違い、及びヒノキのリン量の違いに対する応答について調べた。可給態リンはどちらの試験地もいずれの測定回もほとんど検出されなかった。酸抽出したリン量および土壌中の酸性フォスファターゼ活性は、火山灰質下で約2倍大きく、全炭素濃度に対応していた。ヒノキ落葉のN:P比は変成岩下で生葉より高い傾向が見られた。以上の結果、変成岩地域にもリン制限があり、火山灰質土壌では土壌有機物の吸着容量が大きいことで微生物活性と潜在的に供給できるリンが変成岩土壌より大きく、変成岩土壌でリン制限が落葉の濃度に影響している可能性が示された。
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