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2012 年度 実施状況報告書

分布拡大する侵入害虫、ハラアカコブカミキリ幼虫の発育特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580234
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

小坂 肇  独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, グループ長 (20343791)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード孵化温度 / 低温 / 高温
研究概要

ハラアカコブカミキリはシイタケ栽培用のホダ木の害虫であり、また、日本本土への侵入種である。本研究では、ハラアカコブカミキリ幼虫(卵から成虫の羽化まで)の高温低温別の発育限界温度、温度別の発育速度(ある発育ステージを終えるまでに必要な日数の逆数)や発育速度からは算出される発育零点(温度と発育速度の回帰式から発育速度が0になる温度、すなわち発育できない温度の目安)及び有効積算温量(ある発育ステージを終えるまでに必要な発育零点以上の温度の積算量)などの発育の特性を明らかにすることを目的としている。
予備的な調査でハラアカコブカミキリの卵は15℃と30℃では孵化することを明らかにしている。そこで本年度は、卵を用いて15℃未満の低温域の発育限界温度及び31℃以上の高温域の発育限界温度を明らかにすることを主な目的とした。越冬の終えたハラアカコブカミキリ成虫を採集してクヌギの枯れ枝を与えて飼育、産卵させ、枯れ枝から卵を取り出して供試した。卵を湿った濾紙を敷いたシャーレに入れ、10℃から14℃まで、また31℃から35℃まで1℃刻みで恒温器に置いた。その結果、14℃および31℃から34℃までの温度で幼虫の孵化を確認した。
孵化した幼虫をすでに開発した幼虫飼育用の人工飼料(クヌギ枝粉末25%、蚕用人工飼料20%、乾燥酵母5%、蒸留水50%の混合物20g)に移して15℃で飼育した。その結果、蛹化した場合があったが、正常に羽化した個体はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

15℃での幼虫の飼育は次年度行う予定であったが前倒しで行い、15℃では成虫まで発育できないことを明らかにしたため。

今後の研究の推進方策

研究実施計画では卵を15℃から30℃まで5℃刻みにおいて幼虫の孵化までの日数を明らかにするとともに、孵化した幼虫も同様の温度で飼育して発育までの日数を明らかにする計画であった。しかし、本年度の飼育で15℃では成虫まで発育できないことが明らかになったので、幼虫の飼育については、17.5℃から30℃まで2.5℃刻みでの飼育を行う。卵については幼虫の飼育温度に加え15℃での孵化までの日数を確認する。

次年度の研究費の使用計画

「該当なし」

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] シイタケほだ木の害虫、ハラアカコブカミキリ幼虫の人工飼育に成功しました2012

    • 著者名/発表者名
      小坂 肇
    • 雑誌名

      林業いばらき

      巻: 658 ページ: 9-9

  • [雑誌論文] ハラアカコブカミキリの幼虫用人工飼料の開発2012

    • 著者名/発表者名
      小坂 肇
    • 雑誌名

      森林防疫

      巻: 61 ページ: 203-207

    • 査読あり
  • [学会発表] ハラアカコブカミキリの通年飼育

    • 著者名/発表者名
      小坂 肇、高畑 義啓
    • 学会等名
      第124回日本森林学会大会
    • 発表場所
      岩手大学(岩手県盛岡市)
  • [備考] ほだ木の害虫、ハラアカコブカミキリ幼虫の人工飼育法の開発

    • URL

      http://www.ffpri.affrc.go.jp/research/saizensen/2012/20120113-02.html

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公開日: 2014-07-24  

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