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2013 年度 実施状況報告書

分布拡大する侵入害虫、ハラアカコブカミキリ幼虫の発育特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24580234
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

小坂 肇  独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, グループ長 (20343791)

キーワードハラアカコブカミキリ / 幼虫 / 蛹 / 温度別飼育
研究概要

ハラアカコブカミキリはシイタケ栽培用のホダ木の害虫であり、また、日本本土への侵入種である。この幼虫の発育と温度の関係を明らかにするために、孵化直後の幼虫を成虫の羽化まで人工飼料を用いて飼育した。人工飼料の組成は、クヌギ材粉砕物25%、蚕用粉末人工飼料20%、粉末乾燥酵母5%、蒸留水50%ととした。よく混合した人工試料20gを容量100mlの三角フラスコに入れてヘラで固めた後、シリコセンで蓋をして高温高圧殺菌(121℃、20分)した。このように作製した人工飼料に孵化1日以内の幼虫を1頭接種した。その後、全暗条件で17.5℃、20.0℃、25℃あるいは30℃で飼育し、蛹化と羽化までの日数を調べた。蛹化するまでの平均期間(幼虫期間)(最短期間-最長期間)は、17.5℃では225日(77日-295日)、20℃では69日(51日-192日)、25℃では57日(48日-66日)、30℃では64日(46日-79日)であった。蛹期間は、17.5℃では26日(25日-27日)、20℃では18日(15日-21日)、25℃では12日(10日-13日)、30℃では10日(7日-11日)であった。幼虫の発育を見ると25℃と30℃では、平均の幼虫期間は最短発育期間と最長発育期間のほぼ中央であった。しかし、17.5℃では平均幼虫期間に対して極端に早く蛹化する個体がみられ、また20℃では極端に遅く蛹化する個体がみられた。また、30℃での平均幼虫期間は25℃のそれより長くなった。それに対して蛹では飼育温度が高いほど平均の蛹期間が短くなった。これらからハラアカコブカミキリの蛹の発育は温度で説明できる可能性があるが、幼虫の発育は温度だけでは説明がつかないことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度のハラアカコブカミキリ卵の発育と温度の解明に続いて、今年度は幼虫と蛹の発育と温度の関係が明らかになったため。

今後の研究の推進方策

幼虫の発育が温度だけでは説明できない可能性を見出したので、すでに得ている幼虫の重さ(羽化したときの成虫の重さ)も含めて解析する。サンプル数を増やして結果の信頼性を増やすため、各温度での幼虫と蛹の飼育をする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] ハラアカコブカミキリの産卵から成虫の羽化までの発育と温度の関係2014

    • 著者名/発表者名
      小坂 肇、高畑義啓
    • 学会等名
      第58回日本応用動物昆虫学会
    • 発表場所
      高知大学朝倉キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140328
  • [備考] 森林総合研究所成果発表会

    • URL

      http://www.ffpri.affrc.go.jp/kys/research/happyo/index.html

  • [備考] 熊本大学 教育学部 附属中学校の職場体験学習を行いました。

    • URL

      http://www.ffpri-kys.affrc.go.jp/event/250529/taiken.html

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公開日: 2015-05-28  

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