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2013 年度 実施状況報告書

可視光-近赤外光反射画像を利用した新たな樹木細根動態評価手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24580235
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

野口 享太郎  独立行政法人森林総合研究所, 四国支所, 主任研究員 (70353802)

キーワード多重分光画像解析 / 生細根 / 枯死細根 / マルチバンドイメージスキャナ
研究概要

本研究は、樹木細根の持つ可視光-近赤外光反射特性を利用して細根(直径2 mm以下の根)の生死判別を行い、細根生産速度、枯死速度、分解速度を評価することを目的としている。本年度は、昨年度より継続調査しているヒノキ人工林において、新たに生じた細根量の経時変動について検討した。
6月上旬に表層土壌(深さ10 cm)に根を除いた土壌コアを埋設し、9月、12月、翌年2月にサンプリングした。採取した土壌コア中の細根量(1平方メートルあたり)は、9月には約15グラム、12月および翌年2月には約40グラムであった。これらの細根試料について、色や弾性などを指標とした従来の方法により生細根と枯死根に分別した結果、約10%が枯死細根であった。
また、一部試料について、マルチバンドイメージスキャナ(アイメジャー社)を利用して、波長560 nm、660 nm、840 nm、910 nmにおける反射画像(可視光-近赤外光反射画像)を取得した。得られた画像を多重分光画像解析ソフトウェア(Multispec、Purdue大学)により解析した。この際、7月に同じヒノキ人工林から採取して従来の方法で分別した生細根、枯死細根の可視光-近赤外光反射特性を生死判別の基準として利用した。これらの基準試料の生死判別の精度は、枯死根で95%以上、生根で約80%であった。前述の土壌コアから採取したヒノキ細根については、従来法では約9割が生細根と考えられたが、可視光-近赤外光反射画像を利用した解析では、枯死細根と判断された細根の量が20%を超える場合があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒノキ人工林において試験地を設置するとともに、昨年度、確立した可視光-近赤外光反射特性を利用した生細根量、枯死細根量の解析をおおむね順調に進めることができた。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、今年度、進めてきた可視光-近赤外光反射特性を利用した生細根量、枯死細根量の解析を継続し、細根生産速度、細根ターンオーバー速度の解析を進める。5月に開催される根研究学会等において、研究成果を公表する。

次年度の研究費の使用計画

マルチバンドイメージスキャナのレンタル回数が当初の予定よりも少なくすみ、実験補助員を使わずに解析を進めることができたため。
マルチバンドイメージスキャナのレンタル回数を増やすための費用、実験補助員の賃金、および成果公表のための費用として使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Analysis of live and dead fine roots of Chamaecyparis obtusa using VIS-NIR images2013

    • 著者名/発表者名
      Kyotaro Noguchi and Tatsuro Nakaji
    • 学会等名
      Belowground Carbon Turnover in European Forests (COST Action FP0803)
    • 発表場所
      フランス、ボルドー
    • 年月日
      20130513-20130516

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公開日: 2015-05-28  

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