研究課題/領域番号 |
24580236
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
所 雅彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 室長 (70343796)
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研究分担者 |
北島 博 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, チーム長 (70353662)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナガマドキノコバエ / 菌体信号物質 |
研究概要 |
シイタケ菌床害虫ナガマドキノコバエの幼虫を、徳島県小松島市シイタケ栽培農家の栽培舎にて2012年7月に、群馬県富岡市シイタケ栽培農家の栽培舎にて2012年8月に捕獲し、研究室に持ち帰り、恒温室内でプラスチックケースと市販のシイタケ完熟菌床を用いて継代飼育した。また、別途プラスチックケース内で市販のシイタケ完熟菌床にてシイタケを培養し、キノコ出現初期から末期における揮発性成分を固相マイクロ抽出装置(SPME)を用いて捕集した。また人工飼育によりに得られたナガマドキノコバエ未交尾雌雄成虫を、ノルマルヘキサンにより抽出し、粗抽出物を得た。各地域の雌のノルマルへキサン抽出物に対して、同所の雄成虫は同所の雌抽出物に対して羽ばたき行動を行うことが観察できた。得られたSPMEファイバー、及びノルマルヘキサン抽出物を、生物検定およびガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS)、及びガスクロマトグラフ直結触角電位検出装置(GC-EAD)等を用いて各種微量機器分析に供試した。SPMEファイバー、及びノルマルヘキサン抽出物に対するGC-EAD分析及びGC-MS分析の結果、徳島県小松島市のメス成虫抽出物由来の揮発性成分と、群馬県富岡市のメス成虫抽出物由来の揮発性成分ではプロファイルに違いが認められ、性フェロモン成分及び類似性フェロモン候補成分の組成に違いが認められた。 また、シイタケ菌床から発生した揮発性成分のうち主要成分であるモノテルペン化合物を特定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シイタケ菌床害虫菌体ナガマドキノコバエの採集し、一定数の成虫生体を一定間隔に確保することができており、定期的に生物検定が行える状態を維持できている。揮発性成分から菌体信号物質の候補化合物としていくつかの成分を検出することができており、初年度の目標は達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
検出した菌体信号候補化合物において、それぞれの成分について、ナガマドキノコバエ成虫を用いた行動実験を用いた生物検定においてその機能を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試験供試用の虫の採集のため徳島および大分、群馬に出張する。 成分分析および、行動試験のための試薬と器具を購入する。 菌体成分の分析結果に関して国際学会で報告し、最新の機器分析手法の情報を収集する。
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