木材は数μm径の細管から成る細胞構造を持つ。反応場をマイクロサイズにすると反応系そのものに本質的な影響を与え、マクロで実現しない反応が効率的に展開されることが知られている。本研究では、木炭ブロックを2500℃で処理してもとの細胞組織構造に由来しない、固相炭素構造「円錐黒鉛ウイスカ」を担持させ、木炭ブロックをそのまま電極としてウイスカに通電させることで電気酸化によりウイスカの旋回状に堆積した炭素六角網平面間に硫酸をインターカレーションさせた。これにより強く結合し合ったウイスカのエッジ部を外すことに成功し、電子応答性モバイル材料・電池・断熱・緩衝材など工業原料・資材への応用展開の可能性が拓かれた。
|