準脆性材料と言われる木材の破壊過程の評価方法の確立を試みた。デジタル画像相関法を利用して、くさび型割裂試験やSENB試験でのき裂の進展挙動を観察した。き裂が安定的に進展する同方法ではひずみ軟化を示す応力-ひずみ曲線を広いひずみ範囲で得ることができた。 人工乾燥を想定した熱処理によるき裂進展の違いを調査したが、明確な違いは観察されず、樹種による差の方が大きかった。また、サーモウッド処理による破壊靱性値と緩和挙動も調査した。180℃を超える温度の処理により、破壊靱性値は急激に減少し、緩和時間も長くなった。熱処理による多糖類の分解およびリグニンの凝集がこれらの挙動に影響していると考えられた。
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