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2014 年度 実績報告書

紙表面上でナノファイバーを直接合成する手法の確立とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 24580247
研究機関高知大学

研究代表者

市浦 英明  高知大学, 自然科学系, 准教授 (30448394)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード機能紙 / 界面重合反応 / 光触媒 / 吸着能
研究実績の概要

本年度は、ナノファイバー状高分子の機能性についての研究を進め、特にアセトアルデヒドの吸着機能について検討した。その結果、シクロヘキサンおよびシクロヘキサン-クロロホルム混合液を用いて調製したカプセル構造とファイバー構造のポリアクリルアミド(PA)複合シートでは、ブランクシートと比較して高い吸着性能を示した。また、カプセル状PA膜では、カプセル径の増加に伴い、吸着性能が高くなる傾向が得られた。ファイバー状PA膜では、ファイバー生成率の増加とファイバー径の減少に伴い吸着性能が高くなる傾向であった。なお、今回の調製条件では、EDA濃度50%、有機溶媒にシクロヘキサン:クロロホルム=3:1混合液を用いた場合のナノファイバー状PA膜が最も優れたアセトアルデヒド吸着性能を示した。
また、調製したPA膜への酸化チタン光触媒の定着法についても検討した。酸化チタン(TiO2)を使用し、調製したPA膜への担持手法の確立を試みた。調製したPA膜表面に残存する未反応の酸クロリドとシランカップリング剤である3-アミノプロピルトリメトキシシランのアミンがアミド結合を介して結合させた。その後、PA複合シート表面に負のゼータ電位を与えるテトラエトキシシラン加水分解重合物(ポリシロキサン)をプライマー兼バリアー層として修飾し、正のゼータ電位を有する光触媒微粒子を静電的にシート表面に結合させた。その結果、PA-TiO2複合シートでは良好な光触媒活性を示した。シート表面へのTiO2微粒子が効果的に定着できたことにより、良好な光触媒活性が得られたと推測される。この結果、静電効果を利用した複合化方法によって光触媒紙の調製が可能であった。
界面重合法を用いた機能紙創製技術は、バインダーレスでの機能材料の複合化ができるだけでなく、その形態的特徴を活かした応用や高分子膜の表面修飾による高度機能化が可能であった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Low temperature-dependence of N,N-dimethyl-3-methylbenzamide (DEET) release from a functional paper containing a paraffin-DEET composites prepared using interfacial polymerization2014

    • 著者名/発表者名
      Ichiura H., Yamamoto K., and Ohtani Y.
    • 雑誌名

      Chemical Engineering Journal

      巻: 245 ページ: 17-23

    • DOI

      10.1016/j.cej.2014.02.019

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 高齢化社会に対応する機能紙の機能と役割2014

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 雑誌名

      WEB Journal

      巻: 153 ページ: 19-23

  • [学会発表] 柑橘精油の未利用成分を用いた防虫紙の開発 -徐放性を付与するための紙加工技術-2014

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 学会等名
      第1回アグリ技術シーズセミナー
    • 発表場所
      TKP神田ビジネスセンターANNEX ホール3A(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-12-05 – 2014-12-05
    • 招待講演
  • [学会発表] 今後の紙産業におけるニーズとシーズ2014

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 学会等名
      天然素材研究会
    • 発表場所
      高知県工業技術センター(高知県 高知市)
    • 年月日
      2014-08-21 – 2014-08-21
    • 招待講演
  • [学会発表] 界面重合法を用いた機能紙創製技術 -高分子ナノ構造体への酸化チタン定着手法の検討-2014

    • 著者名/発表者名
      市浦英明、清家武憲、大谷慶人
    • 学会等名
      繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2014-06-11 – 2014-06-13
  • [図書] マイクロ/ナノカプセルの調製、徐放性制御と応用事例2014

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 総ページ数
      510
    • 出版者
      技術情報協会

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公開日: 2016-06-01  

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