研究課題/領域番号 |
24580250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 養樹 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (90353739)
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研究分担者 |
小林 功 独立行政法人森林総合研究所, 加工技術研究領域, チーム長 (30353684)
池田 潔彦 静岡県農林技術研究所, 木材林産科, 科長 (40502571)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | インピーダンス / パルス波 / 乾燥 |
研究概要 |
製材の乾燥効率を高めるため、乾燥機中に桟積みした製材個々のインピーダンス測定から含水率の推定を試みた。スギ正角材のインピーダンスの値でおおよその含水率は推定可能であり、製材個別の含水率分離法として、1本の木材の含水率を抵抗とコンデンサーの並列に置き換え、さらに5個並列に接続されているモデルから全体の観測値に合う最適値を求めた。一方、パルス波は高周波インピーダンスに比べ測定系に問題があるため、本年度は高周波インピーダンス法とパルス波法それぞれの測定系について検討した。高周波インピーダンス法は、コンピューターと測定器、リレー切り替え器との通信による自動計測ができるため、アルミ電極による桟木電極とリレー切り替え器による自動計測システムの構築を行った。具体的には、桟積み時に桟木電極とリード線をセット、その後リレー切り替え器へ接続、さらにコンピューター制御する測定器に繋ぎ、一定時間ごとに100Hzから1MHzの周波数範囲のインピーダンスの測定値を取り込み試験を行った。その結果、6ch分の測定データを30分間隔で取り込みが可能であることを確認した。 一方、パルス波法は、高周波よりも高い周波数を使用するため、高速度かつ高分解能のデジタル化が必要であるため、ネットワークアナライザー(通信測定器)を使用した。さらに、マイクロ波に対応する特殊な計測プローブを用意し、含水率を調整した製材を5本組み合わせを変えて、信号を観測した。その結果、組み合わせを変えても信号の変化から含水率の推定が可能であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高周波インピーダンス法とパルス波法の測定系について検討し、次のような成果を得た。 1)高周波インピーダンス法で、乾燥実機の桟積み製材について乾燥開始から終了までの間、設定した6ch分の測定データの収集が出来た。さらに、乾燥過程でのパターンが変化することも確認出来た。 2)パルス波法を用いて、高周波対応の電極上に含水率の異なる製材を5本置いて、そのパルス波伝搬のパターン変化を観察した。その結果、高周波インピーダンス法と同様に、信号を製材個々で分離することを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
高周波インピーダンス法による含水率推定方法の確立を図る。桟木電極で収集したデータをもとに製材品個々の含水率推定を行う。パルス波法は、実際にセンサーを用い、その信号から製材品の含水率を推定する方法について、検討する。さらに100℃での温度条件下で、測定が可能であるのかを検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
パルス波法で使用するセンサーの耐熱性の向上や乾燥実用機内で乾燥実験する試験体の購入に用いる。
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