本研究では、魚類の成長に重要なインスリン様成長因子-I(IGF-I)の活性を調節しているIGF結合蛋白(IGFBP)の組換え蛋白を作製し、脳下垂体における作用を解析した。まずサクラマス未成熟魚の脳下垂体培養系を確立した。次に、大腸菌発現系により機能的な組換えIGFBP を発現させた。そして、組換えIGFBPをIGF-Iとともに脳下垂体培養系に添加した。結果、IGF-I活性の阻害型と考えられていたIGFBP-1は、脳下垂体においては促進型として働くことを初めて示唆した。今回作製した組換え蛋白を用いることにより、さらに詳細な魚類の成長調節メカニズムの解析が期待できる。
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