近年、ヒラメ寄生粘液胞子虫Kudoa septempunctataによる食中毒が問題になっているが、他のクドアについても人への毒性が疑われている。天然海産魚に寄生するKudoa iwataiは宿主によって感受性が異なり、寄生率ではキチヌが高く、シストの成熟度や胞子の生残率ではスズキが高かったが、毒性を証明するには至らなかった。メジマグロ(クロマグロの幼魚)に寄生する種類をKudoa hexapunctataとして新種記載した後、ヒト腸管培養細胞(Caco-2細胞)に対する毒性を確認し、毒性が発現する胞子数、胞子が失活すると考えられる冷凍・冷蔵条件などから、食中毒リスクについて検討した。
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