研究課題/領域番号 |
24580264
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 直之 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80256974)
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研究分担者 |
吉本 正美 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (00182832)
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キーワード | 内臓感覚 / 魚類 / キンギョ / ティラピア / 神経路 |
研究概要 |
今年度はキンギョの1次内臓感覚核の線維連絡に関して結果を取りまとめ、論文の作成を行った。原稿が完成し、まもなく学術雑誌に投稿する。2次感覚核の線維連絡の調査が終了した。予想していなかった回路の存在が明らかとなった。成果を学会において報告し、論文を現在作成中である。間脳の内臓感覚核については、さらに実験を行う必要がある。また、内臓感覚が大脳に到達するか否かが本課題の重要なポイントの1つであるが、魚類を含む脊椎動物の大脳に関して総説を書いた。 ティラピアにおいては、間脳の内臓感覚核の線維連絡の原稿の論文原稿は完成に近づいている。また今年度、視床下部の内臓感覚領域の線維連絡を調べた結果、終脳との連絡が明らかとなった。この成果を学会において発表し、また論文にまとめ雑誌に発表した。 キンギョの脳アトラスについては、アトラスそのものについては図が完成し、論文原稿を作成している。しかしながら、より完全なものとするため、嗅覚投射のデータと組み合わせるなど、さらにデータを追加する必要がある。キンギョの脳形態について、分担執筆の本において紹介した。水産学的に重要な種の脳アトラスとして、マアジの標本作製を開始した。 免疫組織化学による摂食関連ぺプチドの分布の調査は、最近作成された抗体をしようしたものの、やはり特異的な標識は得られていないため、内臓感覚神経路そのものと脳アトラスに重点をおいて研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
摂食関連ぺプチドニューロンの脳内分布の調査については、使用に耐える抗体がなく、一時中断とせざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度が本課題の最終年度であり、これまでに得られた成果については、作成途上の論文を完成させて学術誌への投稿を行う。キンギョの間脳の内臓感覚核については、まだ十分なデータが得られておらず、早急に実験を遂行していく。幸い、最大の焦点である終脳との連絡については、その手がかりとなるデータが得られており、方向性ははっきりしている。内臓感覚神経路そのものと脳アトラスに重点をおいて研究を推進し、年度内にさらに得られた成果について学会で報告すると共に、論文原稿の作成を進行させる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
線維連絡調査に必要なトレーサーがもっと多く必要になることを予測していたが、使用量が以外に少なかったことやガラス器具などの消耗品の破損などがほとんどなかったため、若干の残額が生じた。 トレーサーや反応キットなど比較的金額が大きい消耗品を今後購入していくことになるので、適切に使用可能である。
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