研究課題/領域番号 |
24580272
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 教授 (20240294)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 魚病 / レンサ球菌 / ランスフィールドC群 / ブリ / カンパチ |
研究概要 |
魚類由来株より強毒性株を選択: 病原性を評価する指標として、ヒトおよびブタ由来S.pyogeneseおよびS.s uisの病原性因子の一つとして考えられいる血清白濁因子(SOF)の活性の強さを基に、魚類血清を強く白濁さ せる菌株と弱い菌株あるいは活性の認められな菌株を、教室保存の菌株(400株以上)から選択し、強毒株とした。 次世代シークエンサーによりゲノム解読: 病原性が強い魚類代表株のゲノム塩基配列を次世代シークエンサ ーで解析レファレンス株としてヒトおよび畜産来強毒株のゲノム配列をもとに両者を比較した。 レファレンス株は、ヒトの心膜炎由来株である、ランスフィールドC群レ ンサ球菌Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilisとデータベース上のヒト由来S.pyogenesを用いて解 析した。その結果、特に、Mタンパク、血清白濁因子、フィブロネクチン結合タンパク、溶血 性遺伝子(ストレプトリジンS)およびスーパー抗原遺伝子等のヒトあるいは畜産動物に対して病気を起こさせ る遺伝子群を保有していることが判明した。また、同時に魚類病原性レンサ球菌の強毒株と弱毒株との比較解析を行い、毒 性の弱い株にはない配列をいくつか検索できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
魚類由来株より強毒性株を選択: 病原性を評価する指標として、ヒトおよびブタ由来S.pyogeneseおよびS.suisの病原性因子の一つとして考えられている血清白濁因子(SOF)の活性の強さを基に、魚類血清を強く白濁さ せる菌株と弱い菌株あるいは活性の認められない菌株を、教室保存の菌株(400株以上)から選択し、強毒株とすることができた。 次世代シークエンサーによりゲノム解読: その結果、特に、ヒトおよびブタ連鎖球菌の病原因子であるMタンパク、血清白濁因子、フィブロネクチン結合タンパク、溶血 性遺伝子(ストレプトリジンS)およびスーパー抗原遺伝子等のヒトに対して病気を起こさせる遺伝子群を保有していることが判明した。また、同時に魚類病原性レンサ球菌の強毒株と弱毒株との比較解析を行い、毒 性の弱い株にはない配列をいくつか検索できた。 以上の成果は、当初計画の通りでありおおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
○病原因子のタンパクレベルでの発現:病原性に関わると推測される遺伝子の配列の全長を決定した後、発現 系ベクターにクローニングしたのち、病原因子であるタンパクを発現させ、精製する。魚類GCSDに感染した魚類 から分離した抗体と発現タンパクの反応の強さをウエスタンブロッテイングで解析する。魚類の抗体と強く反応 するリコンビナントタンパクを指標として探索することで、防御抗原として可能性のあるタンパクおよび遺伝子 を探索する。 ○病原因子を用いた診断PCRの開発:病原因子として、幅広く魚類由来株に存在する遺伝子なのかを確認する と共に、哺乳動物由来の遺伝子と異なる領域を標的としたPCR系を開発し、魚類病原性レンサ球菌のみを明確 に識別診断できる診断法(PCR)を開発する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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