マナマコの疣足は数が多く長いものの価値が高い。本研究は、その選抜育種技術の開発に資することを目的とした。各産地野生集団の疣足数は緯度との間にクラインを示し、北方のものほど多かった。このことは優良な選抜育種素材を探索する上で重要である。またマイクロサテライト座のアリル頻度でもクラインが見られ、本種が段階的に分布を広げ、遺伝的に異なる集団となるのに伴い、疣足形質も変化したことが示唆された。年齢(個体サイズ)と疣足数の関係を検討したところ、明確に目視できる疣足の数は、北方産地では年齢(個体サイズ)と共に増加するが、南(西)の産地では成長しても疣足数が変化しないことが示唆された。
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