研究課題/領域番号 |
24580282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
西野 康人 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (50424677)
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研究分担者 |
中川 至純 東京農業大学, 生物産業学部, 助教 (70399111)
谷口 旭 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (30002091)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 海氷 / アイスアルジー / プランクトン / クロロフィル / セディメントトラップ |
研究概要 |
海氷が生物生産にどのような機能を果たしているかを明らかにするために、海氷生成から崩壊・融解までの過程を調査することが可能である定着氷に着目した。オホーツク海と湖口でつながり、陸水の影響が少なく、冬季に結氷する沿岸海跡湖能取湖を調査地とした。 平成24年度は、海氷ならびに海水中の生物相の動態および短周期での環境変動の把握につとめた。具体的には能取湖の湖央部にある最深部に氷上観測の定点とし、結氷前の12月(プレ海氷シーズン)にセディメントトラップを沈め、結氷前から融解後までの沈降物の連続的採集を行なった。このセディメントトラップは5月に回収予定である。氷上調査は2月7日から3月29日まで行ない、この間、およそ週1回の頻度(計8回)で調査を実施した。氷上調査では、海氷・海水サンプル(サイズ別クロロフィル濃度測定用、栄養塩濃度測定用、検鏡用)の採集、ネット採集(目合い:330 μm、100 μm)、CTD観測(水温・塩分・蛍光値等の鉛直プロファイル)ならびに光量子計による光環境の鉛直プロファイルを測定した。さらにセディメントを層別にセットし(1m, 5m, 10m, 15m)、調査ごとに(およそ1週間)、回収し、乾重量測定と検鏡用サンプルとした。4月現在、能取湖中央部に沈めているセディメントトラップの回収はこれからであるが、それ以外の調査は予定していたものを終え、クロロフィルや栄養塩の測定等、サンプルの分析をはじめるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に予定していた調査は、結氷前のプレ海氷シーズンからポスト海氷シーズンまでの連続的データの取得として、セディメントトラップによる沈降物の採集を行なった。4月現在、このセディメントトラップはまだ調査地に設置されている。また氷上調査は2月7日から3月29日にかけて実施し、この間、8回の調査をおこなった。これにより、当初予定していた結氷期における海氷の成長期、安定期、融解期、それぞれの時期の調査を実施できた。そして予定していた調査項目もほぼ予定通り実施できたため、順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は、まず、4月現在、設置されているセディメントトラップの回収を5月中に行ない、サンプルの分析を行なう。そして氷上調査で得られたサンプルの分析を行なったのち、データの解析を実施する。その結果を踏まえ、平成25年度の調査内容の計画を検討する。現時点での予定では、平成25年度は、前年度と同様の調査を実施しつつ、観測点を増やし、面としての視点をプラスし、より広範なデータの取得を考えている。追加する観測点は2点を予定しており、これらのふたつの観測点では、平成24年度の結果を踏まえ、調査項目の絞り込みを行ない、よりスムーズな調査ならびにサンプル処理を行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、観測点を2つ増やす予定である。そのため、1回の調査時のサンプルは、平成24年度とくらべ3倍となる。サンプル処理をより効率的に実施するために、海水のろ過処理セットを1式追加する。 平成25年度の研究費は、上記のろ過処理セットのうち、ろ過ビンとろ過ファンネルの購入にあてる。
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