研究課題
海氷生成が一次生産におよぼす影響を明らかにすることを目的に、オホーツク海と湖口でつながり、陸水の影響が少なく、冬季に結氷する沿岸海跡湖能取湖で氷上調査を実施した。平成24年度は、海氷ならびに海水中の一次生産者の動態および環境変動の把握につとめ、海氷・海水サンプル(サイズ別クロロフィル濃度測定用、栄養塩濃度測定用、検鏡用)の採集、ネット採集(目合い:330 μm、100 μm)、CTD観測(水温・塩分・蛍光値等の鉛直プロファイル)ならびに光量子計による光環境の鉛直プロファイルを測定した。さらにセディメントでの採集を行ない、沈降物の乾重量とクロロフィル濃度測定ならびに検鏡用サンプルとした。平成25年度は、24年度の結果を受け、海氷ならびに海水中の一次生産者の動態および環境変動の把握するために、氷上調査は2月6日から3月19日まで行ない、およそ週1回の頻度(計7回)で調査を実施した。加えて、ホルマリンの有無による沈降物の違いを評価するために、結氷後にセットした層別セディメントトラップはホルマリン添加タイプと未添加の2セットを実施した。さらに、水柱中の一次生産力を評価するために、現場法を用い、酸素方により一次生産力の測定を実施した。平成26年度は24、25年度の結果を受け、氷上調査・セディメントトラップの設置により海氷ならびに水柱の一次生産者の動態および環境変動を把握し年変動をおさえるとともに、水柱での一次生産力の測定および海氷中の一次生産力の測定をこころみた。過去2年間とくらべ、26年度は気温が高く、海氷生成がおくれ、調査を開始できたのは2月24日であった。また度重なる暴風雪の影響で氷上調査が実施できたのは3回(2月24日、3月7日、3月16日)であった。そのため、調査期間中、アイスアルジーの顕著な増殖はみられなかったが、年変動を示す貴重なデータを取得できた。
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Polar Science
巻: in press ページ: in press
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