本研究で作成した家系に既存のクルマエビAFLPマーカーを試験したところ,一部うまくいかなかったため,原因究明に時間がかかった.制限酵素の切断の不十分さであることが判明した.クルマエビDNAは制限酵素による切断が困難であり,予定していた新たなマーカー作成も難航した.原因が解明できたため,今後は本研究で作成した家系をもとに新規マーカーを作成し,解析できる可能性が高くなった. 水温区試験の家系により,性比の偏りについて傾向があるため,引き続き家系維持を試み,その検定交雑による確認とマーカー開発が期待されることとなった. 家系作成の飼育中に小型水槽では難しかった交尾が確認された.また,掛け合わせたい雌雄の親をどちらも生かしたまま人工交配させることに成功し,クルマエビにおける育種に向け,1×1家系作成ができるようになった.交配に関して,育種を行う上で最重要ポイントでもあったため,本課題中での副次的成果として学会等で公表し,今後のクルマエビ育種試験に貢献できると思われる.
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