自然界にはL-アミノ酸のみが存在しているものだと考えられていたが,分析技術の発展により海藻を含む様々な真核生物から遊離D-アミノ酸が存在していることが明らかにされてきた。海藻では特にヒジキに多量のD-アスパラギン酸が存在しているが,葉部では中心部に局在しており,環境の状況に応じて増減することが明らかになった。低酸素条件下およびその状態から通常の酸素を含む状態への回復条件下において,ヒジキアミノ酸の増減を調べたところ,D-およびL-アスパラギン酸のみが増減した。これらのことからヒジキD-アスパラギン酸は低酸素下でのエネルギー代謝と関係があることが予想された。
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