研究課題/領域番号 |
24580308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
花澤 重正 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60060258)
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研究分担者 |
舛廣 善和 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00336083)
藪 健史 日本大学, 生物資源科学部, 研究員 (00551756)
今村 伸太朗 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (80510007)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 細胞膜透過性蛋白質 / 蛋白質発現 |
研究概要 |
MTM融合eGFPp53の精製を確立した。すなわち、MTM非融合eGFPおよびMTM融合eGFPp53をpET発現システムを使ってニッケルアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。pET28aベクターにMTMが有・無になるようにeGFPをサブクローニングし,そのベクターを大腸菌(BL21(DE3))に形質転換した。形質転換した大腸菌からMTM非融合eGFPあるいはMTM融合eGFPp53を精製した。得られたそれぞれの大腸菌は,TB液体培地抗生物質カナマイシン依存下で震盪培養し、IPTGを添加し,さらに3時間震盪培養した。培養後菌を遠心分画により回収し,超音波によって菌を破砕し,遠心分画により水溶性蛋白質と不溶性蛋白質に分離した。不溶性蛋白質(MTM非融合eGFP,MTM融合eGFPp53)に可溶化溶液を加え,37℃で緩やかに3時間震盪して不溶性p53を可溶化した。可溶化したp53からNi NTA purification system (Invitrogen)を用いてMTM非融合eGFPあるいはMTM融合eGFPp53を精製した。MTM非融合eGFP,MTM融合eGFPp53のN末端側に6個の連続するHistidine残基を含んでおり,Ni2+に特異的に結合することによって目的とするp53を回収した。また、1時間置くことにより各p53のリフォールディングを行った。1時間後,溶質溶液(20 mM Tris, 2 M Urea, 300 mM NaCl, 400 mM imidazole, pH 8.0)を加え,Ni2+の結合を外し目的のp53をPBSで一晩透析した。現在、精製したMTM非融合eGFP,MTM融合eGFPp53を胚または仔魚の血中に注入した結果,組織内,特に細胞内での発現を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画はMTM融合eGFPp53の精製することを目的とした。その結果、実績概要に記載したようにMTM融合eGFPp53を可溶化でき、SDS-PAGEでその精製度を確認したところ単一バンドとして検出できた。故に、極めて高い精製度を持つ可溶化MTM融合eGFPp53を作成することができた。さらに、この精製標品をゼブラフィッシュ胚にマイクロインジェクションし、組織細胞内に導入されたか否かを蛍光色素の発色から調べたところ、その明瞭な発現が確認できた。これらの結果から本年度の研究計画を概ね達成できたものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
ゼブラフィッシュ胚および仔魚へのMTM融合eGFPp53の導入と発現動態について検討する。すなわち、MTM融合eGFPp53から10 nlを受精卵にマイクロインジェクションし,受精後3, 6, 12, 18, 24 時間の胚をサンプリングし,eGFPもしくはhisタグ抗体を用いたウエスタンブロットを行い,MTM融合の有無による体内での持続時間の比較を行ない、その組織内におけるMTM融合eGFPp53の発現動態と安定性について詳細に検討する。一方,発生段階特異的にp53を導入する方法を確立するために,仔稚魚の血管にシグナル分子溶液を注入し,p53の持続期間を蛍光観察およびウエスタンブロット法により調べる。MTM融合eGFPp53を脳,肝臓,筋肉,眼等に直接注入し,組織への導入を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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