研究課題/領域番号 |
24580310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中谷 朋昭 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60280864)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 商品先物市場 / コメ / ティックデータ / ジャンプ |
研究概要 |
本研究の目的は、食品に関する事件・事故の発生に際して、当該企業をはじめとする食品関連企業の株価変動の解析を通じて、株式市場の反応を国際比較の視点から明らかにしようとするものである。 本年度は、日本の食品関連企業の中でも、ある業界に着目して、株価変動の分析をおこなった。分析は完了していないので詳細の記述は控えるが、食品関連の事故が発生した場合でも、当該企業の株価は必ずしも大きく反応しない場合のあることが明らかとなりつつある。特に原材料に瑕疵があった場合にこのような傾向が見出されることから、企業自らの不祥事と区別して分析していくことが求められる。 また、株式と同じ金融市場と見なされる商品先物市場において、関連するニュースと農産物の先物価格の変動についても解析した。中でもコメ先物市場を分析した結果、株式市場と比較して、価格の急激な変動が10倍程度発生しやすいこと、コメに関する安全性情報よりも、豊凶変動の情報により強く先物価格が反応する点などを見出した。 以上の分析をおこなうために、株価などの金融時系列データに対する統計モデルや統計的検定手法に関して、既存研究で曖昧にされてきた箇所を明確化する作業も実施した。具体的には、急激な価格変動を検出するためのジャンプ検定について、その前提となる確率分布を規定するいくつかの定数の導出を明確化する理論面からの分析を実施した。 この他に、株価を分析するためのソフトウェアの大幅なバージョンアップに取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、助成初年度のため、学術雑誌に受理された研究成果はなかったものの、学会・研究会報告2件、投稿中の論文2本、分析用ソフトウエアの整備1件という成果を得ている。次年度以降も、すでに学会報告が数件予定されている。 次年度以降に予定している研究についても、データの入手はほぼ完了しているため、これまでの経過を踏まえれば、順調に遂行できるものと見込まれる。 よって上記の自己評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に取り上げることのできなかった業種における株価変動の分析を実施するとともに、国外における食品企業の株価分析についてとり進める。 加えて、本研究が目的とする株式市場との比較において重要な知見が得られると見込まれることから、農産物先物市場における価格変動の分析も併せて進めていく。 この他、分析モデルなどに関する理論面での研究や、分析に必要なソフトウェアの整備・開発もおこなう予定である。 また、次年度以降は、初年度に着手した研究について、その成果を取りまとめ、学会報告や学術雑誌への投稿をしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
助成期間が2年度目に入り、複数の具体的な研究成果がまとまりつつあることから、国内外の学会・研究会等で、積極的に報告をおこなうために、研究費は主に旅費として使用する見込みである。成果のとりまとめと出版にあたっては、学術雑誌への投稿料、英文校正料なども見込まれる。 あわせて、助成開始以降の期間を含む株価データ等の購入代金や、これらを迅速に処理・保存するために必要とされるPC機器類の購入も予定している。なお、24年度の未使用額については、データ購入に割り当てていたものの一部で、分析の進行状況から24年度中の購入を見合わせたために発生したものである。これらについては、25年度に購入予定のデータと併せて使用する予定である。
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