研究課題/領域番号 |
24580313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
齋藤 潔 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80202076)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / 農業の6次産業化 / 農業教育プログラム / アクションラーニング / 人材育成 |
研究概要 |
本研究は農業の6次産業化を促進する戦略的産業人材の育成を狙いとし、国内外の研究者、実務者と連携して,アクションラーニング原則をベースとした教育プログラムを開発し、その効果判定を行うことを内容としている。 研究初年度である平成24年研究では、国内の6次産業化事例を収集し、その分類整理に努めた。分類整理された事例から、6次産業化の成功に影響する重要な要因として、各種のビジネススキルを抽出したが、そのなかでは経済産業省が制定した「社会人基礎力」がビジネス成功のベースを形成しており、それに6次産業化の特徴であるハイリスク・ハイリターンの構造から,リクスマネジメント能力とその基礎となる経営数値管理が重要な役割を果たしていることがうかがえた。 そこで栃木県の若手農業者13名を対象として、1月から2月にかけて「農業者セミナー」を宇都宮大学で企画し、全7回シリーズで、これを実施した。そこでは栃木県農業会議のコンサルタントと民間のビジネスファシリテーターと共同して、濃密なセミナーを行うことができた。セミナーの全講義、演習はビデオ撮りしており、これは将来の映像教材の材料になる。 今年度もっとも時間をかけて取り組んだのは、海外農業の実態分析である。今年度はアメリカの研究チームと一緒にスペイン各地を周り、スローフード運動の実態調査に取り組んだ。そこでの生産構造、消費形態、そして食育活動を詳細に調査することで、逆に日本農業の6次産業化の課題も浮かび上がってきた。アメリカチームとの合同調査は、来年度以降も続き、新しい研究団体設立の構想も浮かび上がってきており、その点で本研究の実績は予想を超えて大きいものがあると評価している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度はスペインにおけるスローフード運動の現地調査を、アメリカチームと合同で実施した。その結果が高く評価され、スペインを中心としたヨーロッパ各国のスローフードを専門に研究する研究者による研究団体設立の構想が浮かび上がってくるなど、本研究は順調な船出をしたと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目の平成25年度は、基本的に前年の研究計画を延長した形で実施する計画である。国内では引き続き農業の6次産業化事例を収集し、その成功要因の分析を行う。とりわけ、平成25年度は沖縄県を調査地として想定している。沖縄県は日本の中でも独自の食文化を形成してきたヒストリーをもっている。その反面で、近年そのような地域食文化が崩れてきたことが一因で、沖縄の平均寿命は国内ランクでもトップクラスから滑り落ち、下位に落ちた。沖縄ショックをもたらした状況を把握し、農業の6次産業化が単にビジネスの成功を主眼とするものではなく、地域独自の食文化というソフトプログラムと6次産業化というハードプログラムが融合することによって、インパクのある食文化イノベーションが創発されるという知見を確認する。 この点で、今年度力を入れたいのが、スペインのスローフードの継続調査である。スペインの食文化は日本においても大きな広がりをみせているが、一方で本場スペインでは逆にスペイン各地に日本食レストランが登場し、各地のマーケットにも日本食コーナーが設けられている。そこではスペイン人の食文化の中に日本食が急速に定着しているわけだが、その背景には欧米で深刻な社会問題化している肥満が影響している。本年度はスペインの西部地域、そして島しょ部へでのスローフード運動の現地調査を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年研究は、上記の計画で実施する。当初の研究調書に記載したとおり、国内旅費、および国外旅費が主体となり、これに農業者セミナー開催のための備品、消耗品が主な研究費の使用内訳になる。
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