研究課題/領域番号 |
24580325
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
川村 保 宮城大学, 食産業学部, 教授 (20177736)
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キーワード | フードシステム / 食品流通 |
研究概要 |
本研究は、フードシステムに求められる平時の効率性と緊急時の頑強性が両立するような望ましい姿のフードシステムをいかにして構築するかを目的としている。後述のように平成25年度は研究代表者の怪我等のために計画通り研究を進めることができなかったが、東日本大震災の被災地で発生したフードシステムの問題点について情報収集し、被災の内容や地理条件のタイプ別および時間経過に応じて整理する形で論点の整理を行った。 被災内容・地理的条件については、1.津波被害を受けた東北地方沿岸部、2.地震被害のみの東北地方内陸部、また、3.交通等のインフラの被害により影響を受けた首都圏をはじめとする東北以外の地域に区分して整理した。また、時間経過については、1.震災直後から救援物資等が届くまでの時期、2.救援物資等が届き始めてからほぼ通常のロジスティクスが復旧するまでの時期、3.震災の教訓を活かすような形で復興が行われる時期(平時を含む)に区分できるとして整理した。これらの区分を踏まえて、フードシステムの効率性と頑強性の視点から検討すると、被災内容別には1の沿岸部では震災直後の緊急の食料供給のシステムの構築が最大の課題であり、その後は店舗や商店街の復興という点が効率性と頑強性のポイントとなり、内陸部では震災直後の個人商店の活躍とその後の復旧過程でのスーパーやコンビニなどの全国チェーン組織のバックアップの評価がポイントになり、平時も含む復興の段階でようやく全システムの見直しが行われていると考えられた。また、時間的な経過との関係では震災直後の緊急時とその後の復旧の初期では、フードシステムの中でも物流システムが重要なポイントであると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成25年度は、研究代表者が怪我をしたり体調が不良であったことで、授業をはじめとする学内の教育活動や研究活動に大きな影響が出てしまい、計画通りに研究を進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
遅れの原因となった怪我や体調については、現在はそれらの影響もなくなったので、これまでの遅れを取り戻すべく、研究を進める。これまでの研究で重要であると判断された論点を中心に、効率的に研究を進める。また、本研究と時間的に競合する恐れのある活動は極力控え、本研究に専念する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が怪我や体調不良で予定通りに研究を実施できなかったことによるものである。 研究代表者の怪我等の影響は無くなったので、これまで遅れていた研究を計画に沿って、効率的に実施する。
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