東日本大震災の経験やその前後での食品関連企業等の動向を分析することにより、効率性と頑強性の両方を持ったフードシステムのあり方を検討した。その結果、①リスク回避の基本となる分散化は頑強なフードシステムの構築においても基本となり、また、分散化した物流センターによるネットワークが、頑強性と効率性の両立に有効であること、②頑強性を持つ個人商店等は頑強性を持つが、量的に十分な効果を発揮できないこと、③加工食品や中食製造を行っている大規模農業法人経営は、効率性と頑強性の両面で期待できること、④各種の在庫や地域内で供給される飼料米などは、頑強性という視点で再評価されるべきであること、などが明らかになった。
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