研究課題/領域番号 |
24580328
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
荒木 和秋 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (40184270)
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研究分担者 |
小糸 健太郎 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (00347759)
清水池 義治 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (30545215)
井上 誠司 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (70616888)
杉村 泰彦 琉球大学, 農学部, 准教授 (80405662)
淡路 和則 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90201904)
吉岡 徹 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (90405663)
森 久綱 三重大学, 人文学部, 准教授 (80362333)
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キーワード | 細断型ロールベーラ / トウモロコシラップサイレージ / 食品残渣物 / WCS / TMRセンター / コントラクター |
研究概要 |
平成25年度の計画は、(1)「建設業者による耕作放棄地利用による圧縮ロール飼料の生産、調製、販売」であったが、この調査研究は既に24年度に行なった。そこで、25年度は、耕作放棄地利用については静岡県浜松市にあるTMRセンターのトウモロコシ生産のシステムを調査分析した。さらに北海道におけるコントラクターおよび共同経営における細断型ロールベーラ導入の採算性調査を行なった。また、牧草およびトウモロコシの細断ロールの流通実態を把握した。さらに、新たな参加分担者による本州稲作地帯での稲ホールクロップサイレージの生産実態と収益性および課題について調査分析を行なった。 次に、(2)「食品残渣物の圧縮ロール飼料の流通ルート調査」では、千葉県醤油会社の醤油粕の製造方法と流通実態について調査分析を行なった。 その他、細断型ロールベーラを活用した北海道の酪農家の自給率向上の手段として細断型ロールベーラが活用されている経営およびTMRセンターの調査、分析を行なった。また、細断型ロールベーラを使ったコントラクターによるトウモロコシ栽培導入による土地利用の変化について調査、分析を行なった。さらに、東北地方の酪農地帯における細断型ロールベーラの導入による自給飼料生産調製による構造変化について大量調査を行い、細断型ロールベーラの効果を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度、25年度に計画した調査および分析については計画どおり進んでいる。第一に、生産段階における細断型ロールベーラの利用実態である。これまで、コントラクター、TMRセンター、建設業者、協業組織など様々な組織での利用実態の調査および成果について調査分析を行なってきた。第二に、細断型ロールベーラが導入されたことによる飼料生産構造の変化である。これによって飼料生産の体系と飼料給与体系に大きな変化がもたらされていることが解明できた。第三に自給飼料の流通の変化である。これまで自給飼料が、圧縮梱包形態になったことから長期保存と移動に耐える品質を獲得し、広域流通が可能になったことである。第四に食品残渣の活用である。これまで産業廃棄物になっていた食品残渣物を、細断型ロールベーラで密封梱包することで、腐敗を防止し、長距離輸送を可能にしたことで、食品残渣物が飼料に活用されるということで資源化している実態を把握できている。以上のように、細断型ロールベーラの登場は、日本における畜産業の飼料革命といえる実態が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、(1)細断型ロールベーラを導入した地区および農家での、細断ロールの評価について品質、価格、使い良さ(ハンドリング)について調査を行なう。また、補足の実態調査を行い、細断型ロールの生産、流通、利用についての総合的評価を行なう。(2)細断型ロールベーラによる圧縮ロールの生産および流通モデルの策定を行なう。それらを論理的に整理して学会発表を行なうとともに印刷物として社会に公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に追加調査を計画したため予算を残した。 平成26年度は、最終年度に当たるため、成果物の印刷、補足調査および取りまとめのための打ち合わせ会議を行なう。そこで、物品費30万円、旅費120万円、その他6万円を予定している。
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