イスラム圏の食品市場に参入するためには、イスラム教の教義に基づく食品規格であるハラル制度をクリアする必要がある。ハラル制度は、宗教を基礎とするため、その基本的な内容は国際的にほぼ同じであるが、国により若干の相違がある。その相違は、イスラム教の比率や学派などの宗教・社会構造の差異に起因するものとされてきた。本研究では、非イスラム諸国を含む5カ国(マレーシア、インドネシア、シンガポール、オーストラリア、トルコ)を選び、各国のハラル制度の内容・運用などを比較検討し、ハラル制度の国際的な相違は、経済・産業の影響によるものもあることを明らかにした。
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