研究課題/領域番号 |
24580334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び森林技 |
研究代表者 |
齋藤 文信 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び森林技, その他部局等, 研究員 (40425476)
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研究分担者 |
清野 誠喜 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90225095)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | フードサービス / バイヤー / 食材調達 / 農業参入 |
研究概要 |
本研究の目的は、事例研究によりフードサービス業における仕入戦略(青果物を主要対象とする)を把握し、産地開発戦略の位置づけ、産地から直接、青果物を調達する際のバイヤー(仕入れ担当者)のあり方を解明することにある。これまで、フードサービス業の食材調達、特に青果物の調達においては研究が行われているが、産地との折衝・調整を行ってきたバイヤーの機能やバイヤーがどのように育成されているのかは全く明らかになっていない。また、フードサービス産業は、近年の競争激化などにより、離職率が他産業と比較して高い傾向にあり、職務経験者の中途採用に頼るなど、課題を抱えている。 本年度実施した研究成果は以下の通り。 (1)フードサービス業の業界団体である日本フードサービス協会(JF)への聞き取り調査を行い、会員社のバイヤーを対象に行われているJFと地方自治体が共催する産地見学交流会の状況を確認し、バイヤーの機能やバイヤー育成の課題を確認した。 (2)JFが主催するバイヤーズ商談会において、協会担当者からバイヤーの動向に関する聞き取り調査を実施したほか、資料収集と参加バイヤーへの聞き取り調査を行い、次年度実施予定のアンケート調査票作成の参考とした。 (3)青果物の調達方法を仕入れだけでなく、自社農場からの調達を開始したローカルチェーンに着目し、聞き取り調査を行った。ローカルチェーンの農業参入を、食材調達・利用システムの1つとして位置付け、第一に自社農場での生産品目数と調理場所、第二に農業参入方法、の2つの視点から大手チェーンと比較した。農業参入前の農業生産者との関係や農業参入時の農業生産者との連携状況について考察し、その結果を学会にて報告するとともに、論文に取りまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、業界団体である日本フードサービス協会(JF)へのヒアリング調査と自社農場による青果物調達を行うなど青果物の調達方法を変更したフードサービス業2社の調達責任者に対する聞き取り調査など、定性的な調査を行った。これらの結果の一部は学会報告するとともに論文として取りまとめられた。 当初は、アンケート調査による仕入れ体制・仕入戦略の概況把握を行う予定であったが、JFとの調整や事前のヒアリング調査から、次年度に行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
業界団体である日本フードサービス協会(JF)が、地方自治体などと共催している産地見学交流会に参加する企業の中には、採用後から数年の若手社員を積極的に参加させる企業もみられ、産地見学交流会を単なる商談の場ではなく、社員養成の一環として活用する事例があった。この事例について、調査・考察を深めたい。 JF関係者から、産地開発戦略やバイヤー養成の課題について、積極的な提言や助言を要望されたことから、JFの配布機関誌やセミナー等での報告を検討している。
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次年度の研究費の使用計画 |
日本フードサービス協会会員企業の466社に対するアンケート調査を実施する予定である。このアンケート調査の郵送料などを予算執行する予定である。 フードサービス業の事例分析を継続して行うため、聞き取り調査を実施する予定である。このため、東京・関西圏への出張旅費を執行する予定である。 これらの調査に必要な消耗品の購入のほか、データ整理に必要なソフト等を購入する予定である。
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