研究課題/領域番号 |
24580335
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
小野 洋 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (40446480)
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研究分担者 |
金井 源太 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (40355508)
野中 章久 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (60355253)
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キーワード | ナタネ生産 / バイオ燃料 / 国際情報交換 / ドイツ / 自給生産 |
研究概要 |
1.バイオディーゼル生産の先進国であるドイツを対象に現地調査を実施した。バイオ燃料の栽培から加工販売まで実施しているバイエルン州の生産者を訪問し、ナタネ栽培上の課題及び政策変更の影響を調査した。ナタネ生産補助金の削減により栽培面積が減少していること、バイオディーゼルへの助成削減により中小のバイオ燃料生産工場数が激減していること等が明らかとなった。またバイエルン州農業研究所ではストレートオイル利用上の技術的課題について意見交換を行い、次年度以降も研究交流を継続することを確認した。なお、本実態調査については平成26年度に学会報告予定である。 2.ナタネ油の1500時間のディーゼル供試実証を行い、結果を論文として公表した。効率的選別のために大豆用ベルト選別機を利用する方式について、ナタネ油の食用品質とともに燃料品質の分析を行った。整粒品質の向上の確認とともに低品質粒由来のナタネ油はCa, Mg, Pの含量が高いとの知見を得て、国際学会にて発表した。またナタネ油の燃料品質向上のため、ドイツ現地調査結果を踏まえ活性白土による濾過試験を開始した。 3.未利用バイオマス資源の有効利用に関し、木質バイオマスを対象に環境影響評価を実施した。リンゴ剪定枝は収集作業に労力を要するため現在そのほとんどが未利用であるが、たい肥化により化学肥料の使用が削減可能となり、温暖化ガス等の環境負荷を軽減することを明らかにした。但し、収集した剪定枝の保管場所の確保等において課題が残されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナタネを原料としたバイオ燃料生産の国際比較に関してはドイツバイエルン州を調査し、またバイオ燃料利用について新たに実験をスタートさせている。ドイツでの調査結果は26年度に学会報告予定である。 国内ナタネの現状に関しては、昨年度に続き栽培から搾油・販売までの包括的把握を実施した。本研究成果をもとに各地の研修会等で積極的に広報活動を実施した。このほかナタネの自給的生産の可能性を経済学説史の視点から整理した論文を和文誌、英文誌(IFあり)に投稿中である。 ナタネ油の燃料利用については国内初の1500時間を超える耐用試験を実施し、その成果を論文化した。 以上、多くの公表成果をとりまとめており、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である26年度は予算規模も限られていることから、過去2年間の成果のとりまとめ及び学会報告・論文化を研究の中心とするが、25年度の残額を利用して新たに活性白土に関する試験を行う。また可能であれば3年間の成果をパンフレット化して公刊する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画では26年度は2か年のとりまとめの年度とし、予算配分を40万円としていた。しかし25年度の研究を進める過程で26年度も実験を実施する必要が生じた。このため25年度使用分を一部残として26年度に使用する。 次年度使用額については活性白土を用いた濾過試験に使用し、このほかは研究者間の打ち合わせ及び学会報告の旅費等に使用する。
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