研究課題/領域番号 |
24580337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
澤田 守 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター農業経営研究領域, 主任研究員 (60355469)
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研究分担者 |
原 珠里 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (30355466)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 新規参入 / フランチャイズ |
研究概要 |
当該年度はフランチャイズ型の農業経営において、新規参入した経営の実態分析から人材育成システムの特徴を分析した。新規参入者を対象としたヒアリング調査から、新規参入者の参入費用などを把握するとともに、経営を確立するまでの農地、住宅の確保、農業技術の習得状況、資金の確保状況を把握した。さらに、経営を確立している新規参入者を中心として、参入後の経営面積、農産物販売金額の推移などを把握し、従来の新規参入経営との比較分析を行った。その結果、フランチャイズ型経営においては、初期の参入費用が少ないだけではなく、研修制度の利用、農地の斡旋などによって、スムーズに経営を開始しており、参入障壁の軽減に大きな効果があることが示された。 さらに、新規参入後の経営確立にむけては、参入障壁の軽減だけではなく、販売チャネルの確立、優良農地の確保・集積、技術情報の提供等、経営確立までの期間を支える仕組みをつくりあげることが必要になることを示し、これらの経営確立に向けた課題への対応策について分析した。その結果、フランチャイズ型経営の場合は、組織内のネットワーク、及び本部を中心とした販売機能の集約化などの役割分担を図ることで、短期間での新規参入者の経営確立が可能になっていることを示した。これらの結果は、従来の新規参入と異なるフランチャイズ型就農の特徴になっており、参入障壁の軽減だけではなく、参入後の経営展開に多大な影響を及ぼしていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の一つには、新規参入者の確保方策として、フランチャイズ型の農業経営における人材育成機能に着目し、フランチャイズ型の農業経営による人材育成システムが、新規参入者の定着に及ぼす効果について示すことにある。24年度は、フランチャイズ型農業経営の実態調査などをもとにこれらの課題に取り組み、従来の代表的な新規参入と比較することで、人材育成システムの特徴について明らかにした。そのため、研究はおおむね順調に進展しているとすることができる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、フランチャイズ型就農の調査から、新規参入者の参入後の経営展開への影響を分析する。具体的には、新規参入者のキャリア形成に関する調査を中心に行い、新規参入者の資源獲得の状況、②技能の形成状況などについて把握する。さらに、平成24年度から始まった青年就農給付金制度が新規就農に与える影響に関して考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画通り使用する。なお、次年度使用額174,348円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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