本研究では,廃タイヤを利用したアルカリシリカ反応(ASR)抑制機能を有する機能性コンクリートの開発を目的とした。廃タイヤをチップ化し,粒形及び置換率を変えて混入したモルタルおよびコンクリートの力学的特性を評価し,強度特性の変化を把握した。モルタルバー法によるASR試験の結果から,混入率10%以上では,廃タイヤの置換率および粒形を変えて混入しても,膨張抑制効果を発揮せず,逆に無混入よりも大きな膨張特性を示した。この原因は,混入した廃タイヤの量が多かったこと,廃タイヤチップがモルタル中で脆弱部となった可能性が挙げられた。したがって,廃タイヤチップの混入量は連行空気量程度以下が望ましいと考えられた。
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