人工光型植物工場において、速度変数の連続計測にもとづき、光・水・CO2および肥料の利用効率が算定または推定され、最適環境制御によるとうにゅうしg利用効率の向上に関する方策が明らかにされた。また、ヒートポンプが設備された太陽光型植物工場の最適環境条件とその制御法は、省資源・環境保全的な温室システム一般への統合環境管理への道を拓くことが示された。ヒートポンプに関しては、暖房、冷房、除湿のモードを環境条件・植物栽培状況により自動的に切り替えるシステムの有用性が示された。 すなわち、実用規模の人工光型植物工場に関して、毎時における①正味光合成速度、蒸散速度およびCO2利用効率の算定方法の確立に成功した。②理論的最大値(光量子収率:約10%)に対して実際の効率は2~5%前後であり、今後の改善が見込まれた。③水利用効率は、ヒートポンプ冷房時の結露水の循環利用により、95%を上回った。他方、太陽光型植物工場においては、⑤電気ヒートポンプ暖房は、従来の重油暖房に比較してCO2排出量を60-80%、暖房費を平均30%程度削減できた。要約すると、人工光型植物工場では、光・水・CO2・肥料の利用効率が算定され、最適環境制御による利用効率の向上に関する方策が明らかにされた。また、太陽光型植物工場の最適環境条件とその制御法は、省資源・環境保全的な温室システム一般への統合環境管理への道を拓くことが示された。 最終年度では、上述の研究成果のの主要なものについて、英文編著書”Plant Factory” としてまとめ、Elsevier者から2015年秋に出版されることになっている。
|