研究課題/領域番号 |
24580369
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井原 一高 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50396256)
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キーワード | 磁気分離 / 磁気シーディング / 抗生物質 / 畜産廃水 |
研究概要 |
磁気力による畜産廃水からの抗生物質の除去プロセスの確立のために,電気化学磁気シーディングにおける畜産廃水の共存物質の影響軽減と,永久磁石による磁気分離装置の開発,そして,磁気分離後の抗生物質の分解手法について検討を行った。 電気化学磁気ジーディングにおいて,搾乳施設廃水に含有する特定の有機酸がテトラサイクリン系抗生物質と鉄イオンとの結合に影響を与えることを明らかにし,廃水pHや電気化学反応を制御することにより抗生物質の除去率の低下を抑制できることを示し,理論的な考察を行った。 磁気シーディングされた抗生物質を廃水から除去するために,永久磁石を対向配置させた分離装置を試作した。強磁性物質を含む模擬廃水を用いて分離性能の評価を行った。永久磁石によって発生する磁界においても磁気フィルタの利用が除去率の向上に有効であることを示した。 磁気分離された抗生物質の後処理を目的として,電気化学反応による分解手法について検討を行った。濃厚溶液中においても抗生物質を選択的・優先的に分解させることが可能であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
磁気力による畜産廃水からの抗生物質の除去プロセスの確立には複数の要素技術が求められる。課題を分けて研究を進めた結果,解析等が容易になり課題解決の見込みが立つようになった。
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今後の研究の推進方策 |
電気化学磁気シーディングの制御法と磁気分離装置の開発について,一定の進捗が得られたことから,専用の磁性ビーズの開発に再度取り組み,一連のプロセスの確立を目指す予定である。専用の磁性ビーズには強磁性物質としての特性に加えて高い分散性が求められるが,経済的に実現できる作製方法を検討する。畜産施設の現場で設置・稼動できることを念頭に置き,経済性と維持管理が容易な装置を目指すこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
主たる理由は抗生物質の電気化学磁気シーディングにおいて,専用磁性ビーズの開発よりも電気化学反応の制御法についての研究を優先させたためである。 本年度は,磁性ビーズの開発を行い,主として試薬等の消耗品の購入に使用する予定である。
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