研究課題/領域番号 |
24580375
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉田 晋 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10607310)
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研究分担者 |
福見 淳二 阿南工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30300627)
安野 卓 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (50263869)
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キーワード | 太陽光発電 |
研究概要 |
農業への太陽光発電の応用として、ハウス下の農作物への必要な光量をコントロールして確保しながら太陽電池の発電量を最大化できる農業ハウス屋根用太陽光発電システム技術を確立する目的で研究を実施している。2年目にあたる平成25年度の研究実績は次の通りである。 ①初年度のチンゲンサイ・小松菜・大根葉・春菊を5種類の光透過率のシート下での育成し、透過率の違いによる生育調査の実施結果を参考に養分と水分のばらつきを無くして実験精度をあげるために,水耕栽培装置し,チンゲンサイと小松菜を3種類の光透過率シート下で育成し野菜の重量を量ることで,精度の高い実験を実施できた。 ②初年度に作成した2種類の太陽電池の発電特性(I-V特性)を長期間ロギングできるI-V測定装置を用いて,農業ハウス屋根に適用可能な、円筒型太陽電池の発電特性を,Si単板太陽電池との比較や,反射シートを太陽電池下に設置した場合の比較など,夏,秋,冬に実験を行った。 ③円筒型太陽電池下に水耕栽培装置を設置して,太陽電池下でも野菜が育成できる検証実験も実施した。少なくとも春から夏にかけてはチンゲンサイと小松菜は,生育が遅れながらも育つことが確認できた。 ④気温・湿度・日射量による透過率・反射率をコントロールするため、安価な計測装置の試作を継続して行い、気温と日射量に加えて照度,湿度も安価に測定できる目処を立てることができた。 ⑤初年度および平成25年度の前半の研究成果を農業食料工学会2013,農業施設学会2013,SICE四国支部学会にて発表した。また,太陽電池関連のセミナーやフェアーに参加し,最新の太陽電池の情報の収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
円筒型太陽電池下に反射シートを設けて発電量の増加させるシステムの構造を検討していたが,全面反射シートを設置した状態での発電量測定実験で,太陽高度の高い夏場はある程度成果が得られたが,秋以降は期待した効果が得られず,その原因調査や対策検討に時間を要したこともあり再実験の準備に時間がかかっているため,システム構造の検討が遅れている。発電量の増加が見込める反射シートを探して購入しすること。太陽高度が下がっても発電増加が見込める構造設計を進めたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
円筒型太陽電池下に利用する反射シートを別のシートに変えて,再度発電量の増加確認実験を行う。太陽高度が下がった時期でも発電量の増加が見込めるように太陽光発電パネルの傾斜角度を変えられるように改造して実験を行う。その発電量の増加を確認した,新しい構造の太陽電池下で野菜の生育調査を実施する。太陽電池下で生育させる野菜に春菊も加えて実験を行う。 平成25年度の研究成果と合わせて平成26年度の実験結果を、農業食料工学会と農業施設学会で発表する予定である。また,国際会議にも参加して発表および情報収集を行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
太陽電池下に設置する反射装置を含めた実験装置を製作するための部材および費用製作費用に充てる予定であったが,その基礎実験にあたる反射シートによる発電量増加確認実験結果が期待したデータが得られず,その解析に時間がかかり,反射装置の設計が遅れたため平成25年度に購入できなかった。 本来平成25年度に購入予定であった太陽電池下に設置する反射装置を含めた実験装置を早期に購入予定である。
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