以前の研究から、高圧処理による筋肉内コラーゲン並びに結合組織の脆弱化には筋肉内デコリンの分解もしくはコラーゲン線維からの解離が関することを予想し、ウシ骨格筋から実際に単離・精製したデコリン分子の高圧下での立体構造を解析し、高圧処理に伴う筋肉内結合組織の脆弱化との関連性を検討し、以下のようなような結果を得た。 (1)高圧処理はデコリンコアタンパク質の分解、GAG鎖の解離及びGAG鎖の分解を引き起こさなかった。(2)高圧下蛍光スペクトル測定及び表面疎水性測定により、400 MPaまでの高圧処理で可逆的にデコリン分子の立体構造が変化した。(3)デコリン分子表面のSH基量は高圧処理に影響されなかった。
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