研究課題/領域番号 |
24580389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
本田 和久 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40335427)
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研究分担者 |
若松 純一 北海道大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30344493)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 亜鉛 |
研究概要 |
本研究は、ブロイラーにおいて、食欲増進と肉色改善の両効果を期待できる亜鉛に着目し、これらの効果を最も強力に発揮する亜鉛化合物の選定とその最適給与量の決定を行なうと共に、亜鉛化合物によるブロイラーの食欲増進と肉色改善の両分子機構を解明して、ブロイラーの産肉量増加及び肉質向上の両者を同時に達成しようとするものである。 平成24年度は、食欲増進と肉色改善の両効果を最も強力に発揮する亜鉛化合物の選定とその最適給与量の決定を行なった。種々の亜鉛素材(炭酸亜鉛、硫酸亜鉛あるいはペプチド亜鉛)を1日齢のブロイラー(チャンキー、雄)に3週間給与し、摂食量、体重、ムネ肉重量、もも重量、肝臓重量、腹腔内脂肪組織重量ならびに肉色に及ぼす影響について調べた。その結果、炭酸亜鉛および硫酸亜鉛の飼料への添加は、調べたいずれの項目にも影響を及ぼさなかった。一方、ペプチド亜鉛の添加は、肝臓重量および腹腔内脂肪組織重量に影響を及ぼすことなくブロイラーの摂食量およびもも重量を増加させる傾向を示し、体重およびムネ肉重量を有意に増加させた。また、肉色を有意に改善した。さらに、これらの効果を示す最適の添加率は50ppm付近に存在することを示唆した。 以上、平成24年度の研究の結果から、飼料への約50ppmのペプチド亜鉛の添加は、ブロイラーの摂食を促進すること、筋肉重量の増加させること、および、肉色を改善することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した通り、ペプチド亜鉛に食欲増進と肉色改善の両効果が確認され、その最適添加率が約50ppmであることを見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、平成24年度に決定されたペプチド亜鉛給与条件に基づき飼育したブロイラーにおける視床下部食欲調節関連神経ペプチドの発現解析に基づき、その食欲増進機構を解明すると共に、鶏肉中の亜鉛プロトポルフィリンIX関連物質(亜鉛、亜鉛プロトポルフィリンIX及びプロトポルフィリンIX)の含量の測定に基づき、その肉色改善機構を解明する。次に、ペプチド亜鉛給与条件下で出荷日齢(49日齢)までブロイラーを飼育し、産肉量の増加及び肉色の改善を確認すると共に、冷蔵保存肉における退色の抑制効果について検証することに基づき、亜鉛を用いた鶏肉の高生産・肉質改善法を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、前年度に決定されたペプチド亜鉛給与条件に基づき飼育したブロイラーにおける視床下部食欲調節関連神経ペプチドの発現解析に基づき、その食欲増進機構を解明すると共に、鶏肉中の亜鉛プロトポルフィリンIX関連物質(亜鉛、亜鉛プロトポルフィリンIX及びプロトポルフィリンIX)の含量の測定に基づき、その肉色改善機構を解明する。
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