研究課題/領域番号 |
24580390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西野 直樹 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (50237715)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 飼料 / サイレージ / 乳酸菌 |
研究概要 |
1.発酵TMRからのglycerol dehydratase(gd)ポジティブな乳酸菌の分離 実規模製品を収集し、MRS培地に生育するgdポジティブな乳酸菌の分離を試みた。最終的に2株得ることができ、16S rRNA遺伝子の配列からそれらはL. plantarumおよびL. brevisと同定された。一方、P. anomalaあるいはC. kruseiに対する抗菌活性は、アガーウェル拡散法およびソフトアガー重層法のいずれでも確認できなかった。分離できた時期が遅かったため、小規模サイロを用いた牧草類への添加実験は行っていない。平成25年度にイネ科牧草およびトウモロコシホールクロップサイレージでそれらを予定している。 2.非培養法で発酵TMRに検出される難培養性乳酸菌の分離と機能解析 DGGE等の非培養法で発酵TMRの細菌フローラを調べると、培養法ではほとんど検出されないL. panis、L. pontis、L. acetotolerans等の乳酸菌がしばしば検出される。上記1の実験で様々な乳酸菌を分離したが、当初の狙いであるgdポジティブな乳酸菌に加え、これまでサイレージから分離例のない数種の難培養性乳酸菌を得ることができた。このうち1菌種はトウモロコシホールクロップサイレージへの添加実験を行うことができ、予期せぬ形ではあるが、開封後の好気的変敗を抑える効果が確認できた。この乳酸菌はgdネガティブであり、ロイテリンを生成して真菌生育を抑えるという機能は期待できない。しかし、ホモ発酵型乳酸菌で好気的変敗を抑えるという興味深い特性を有しており、L. buchneriに代わる新たな微生物製剤として非常に有望な菌種・菌株を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的であったglycerol dehydrataseポジティブな乳酸菌の分離に成功しただけでなく、glycerol dehydrataseネガティブではあるが、ホモ発酵型で好気的変敗を抑えうる新規性の高い乳酸菌を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していたglycerol dehydrataseポジティブな乳酸菌だけでなく、新規性の高い難培養性乳酸菌を合わせて点添加実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初購入を予定していた微生物学実験用試薬(消耗品等)を購入しなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、同様の試薬類購入の一部に充てる。
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