ハムやソーセージなど、豚肉製品の加工時におけるトランス脂肪酸(TFA)生成の原因および制御法について研究を行った。その結果、食肉製品の発色剤である亜硝酸塩を高濃度に添加すると、豚肉中の不飽和脂肪酸をTFAに異性化する触媒として作用することが明らかになった。触媒として作用する濃度は、食肉加工で試料される濃度の5倍以上であった。また、原材料のpHが5.0より低くなると、亜硝酸塩濃度がより低い条件下でも触媒作用が認められた。本研究の結果から、亜硝酸塩の添加量および原料肉のpHを適正に管理することで、豚肉製品中のTFA生成量を十分に抑制し、製品の安全性を担保できると結論された。
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