肉用牛を含む家畜牛では、年々受胎率が低下する傾向にある。そのため、生物としての活力が心配されている。この原因として暑熱ストレスを考えた。この研究は、牛の耐暑性を遺伝的に強化するための研究である。これまでの研究から暑熱ストレスをはかる指標を探索し、温度と湿度から計算される不快指数を選んだ。繁殖性をはかる形質としては、初産日齢と分娩間隔の2形質とした。授精日前後の不快指数の影響について分析したところ、それぞれの形質で特定の日の不快指数が重要であることを明らかにした。この不快指数から牛の暑熱ストレス感受性をはかる指標とすることが可能となり、耐暑性育種に応用できることを明らかにした。
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