本研究では、脂肪組織における酸化ストレス状態が肥育牛のアディポジェネシスに及ぼす影響を検討した。腸間膜脂肪におけるMMP9遺伝子の発現は、皮下脂肪および筋肉内脂肪と比較し高い傾向にあった。また血中酸化ストレスマーカーであるイソプラスタンの濃度は、濃厚飼料多給区が粗飼料多給区より有意に高かった。さらに牛品種の違いによる影響を検討した結果、ホルスタイン種の腸間膜脂肪におけるpref-1遺伝子の発現は黒毛和種より高い値であった。以上の結果から、酸化ストレス状態は肥育牛のアディポジェネシス制御において重要な役割を果たしている可能性が推察された。
|