研究課題/領域番号 |
24580401
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
田島 清 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜生理栄養研究領域, 主任研究員 (80343953)
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研究分担者 |
遠野 雅徳 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜飼養技術研究領域, 主任研究員 (50547718)
大津 晴彦 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所家畜生理栄養研究領域, 主任研究員 (40455316)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 回腸粘膜付着細菌 / ブタ / ニワトリ |
研究実績の概要 |
本事業で構築したライブラリーの菌株が、宿主の免疫系を賦活化するかを確認するため、腸間膜リンパ節から調整した細胞と菌株の共培養を行い、培地中のサイトカイン濃度を測定した。菌株は飼料発酵調製用の7菌株と、ブタ回腸パイエル板および粘膜から採取した3菌株を用いた。菌株培養液を加熱処理後、2×10の8乗cell/20ulになるように調整し共培養に用いた。IL-10については菌株間で濃度に有意な差は見られなかったが、IL-1βはL. sakei SG171(調製用菌株)とL. oryzae SG293(調製用菌株)で、他の菌株よりも有意に濃度が上昇した。IL-12/IL-23p40は、SG171、SG293、L. plantarum TO1002(調製用菌株)、L. plantarum Lq80(調製用菌株)およびL. salivarius T2(回腸粘膜菌株)で有意に上昇した。したがって、これらの菌株が腸管免疫系を刺激しサイトカイン分泌を促進することが確認された。そこで、L. oryzae SG293、L. sakei SG171の2菌株について、動物実験により投与効果を確認することとした。25日齢で離乳したLWD交雑種10頭を用い、菌株の投与の有無により1区5頭に分け、3週間の菌株投与試験を行った。培養菌株はPBSで洗浄後、2×10の10乗cell/頭になるように調整して1日1回投与した。また、抗菌性飼料添加物を含まない試験飼料を飽食になるように給与した。L. oryzae SG293およびL. sakei SG171の投与により飼養成績(日増体量と飼料効率)に有意差は見られなかった。試験期間中に下痢の発生が見られたが、頻度に両区で差は見られなかった。血液中のIL-1β濃度も試験区間で差がなかったことから、投与2菌株の効果は、動物試験においては明確には示されなかった。
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