研究課題/領域番号 |
24580402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
三森 眞琴 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 家畜生理栄養研究領域, 主任研究員 (40418588)
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研究分担者 |
真貝 拓三 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所 家畜生理栄養研究領域, 研究員 (70510254)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ルーメン / ルーメン細菌 / セルロース分解菌 |
研究概要 |
反すう家畜の第一胃(ルーメン)内での飼料の微生物消化は反すう家畜の飼料消化の特徴であり,家畜の生産性に大きく関与する要因である。ルーメン内の微生物(ルーメン微生物)の研究は古典的には培養法で進められてきたが、培養可能なルーメン細菌は約10%程度と推定されている。近年、分子生物学的手法の進展により多量のルーメン微生物由来の遺伝子配列が続々とデータベースに登録されているが、これらの遺伝子には多数の未知遺伝子が含まれていることから解析不能な状態となっている。この問題を解決するには、培養可能なルーメン細菌、特に飼料分解に重要なセルロース分解菌を新規に分離する必要がある。 本課題では、ルーメンから新規のセルロース分解菌を分離・培養することを目的に従来法の培地を改良した改変基礎培地(MBM)に炭素源としてカルボキシルメチルセルロース(CMC)を、培地固化剤として寒天またはゲランガムを添加した培地(AMBMまたはGMBM)をルーメン細菌の分離手法として常用されているロールチューブ法に応用した。具体的には、ルーメン内容物を嫌気性希釈溶液で希釈して接種菌液とし、これをAMBMまたはGMBMが入った試験管に添加した後,ロールチューブを作成した。これらの試験管を38℃で培養し,出現したコロニーを釣菌して斜面培地に移植した。斜面培地で増殖が確認された菌株については、さらにazo-CMCまたはazo-xylanを含む斜面培地とセルロース(ろ紙)が入った液体培地に接種して、CMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性を確認した。 その結果、CMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性のいずれかを示した菌株はAMBM から77菌株、GMBM から76菌株が分離された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた培地の調製とルーメンからのセルロース分解菌の分離・培養が実施され、得られたセルロース分解菌は-80℃で保存中である。これらのことから、予定通りに計画は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に分離されたセルロース分解菌の性状を詳しく調べるため,セルロース分解活性特性、菌種の決定を実施する。さらにいくつかの菌株についてはゲノム解析によりセルロース分解関連遺伝子や代謝経路について詳細に検討する予定である。 平成25年度は、分離菌株のCMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性を詳細に検討するとともに16S rDNA遺伝子による菌種の決定を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究計画である「分離菌株のCMC分解活性,キシラン分解活性、セルロース分解活性の検討および16S rDNA遺伝子による菌種の決定」の推進およびその研究成果を発表するため、以下の研究費を使用する予定である。 消耗品費(薬品 100千円、培地資材 200千円、プラスチック実験器具 100千円、嫌気培養用ガス類 200千円) 600千円、国内旅費(研究成果発表) 100千円、その他(16S rDNA配列解析(外注)) 200千円;合計 900千円 総計1,170千円(うち間接経費分 270千円)
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