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2012 年度 実施状況報告書

制限付き選抜法による予測理論の検証と汎用プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24580416
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

佐藤 正寛  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, その他 (70370658)

研究分担者 西尾 元秀  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10585970)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード制限付き選抜 / シミュレーション / 選抜反応 / 汎用プログラム / BLUP法
研究概要

制限付きBLUP法における予測理論をシミュレーションによって検証するため、選抜と交配を繰り返すモンテカルロ法によるコンピュータシミュレーションプログラムを作成した。本プログラムでは、次の条件を自由に変更できるようにした。①遺伝子型値の発生モデル(有限遺伝子座モデルおよび無限遺伝子座モデル)、②集団のサイズ(交配に用いる繁殖豚の雄と雌の頭数)、③一腹から選抜候補豚として育成される雄と雌の頭数、④改良したい形質数、⑤改良したい形質における遺伝的パラメーター(遺伝率、遺伝相関および環境相関)、⑥形質における希望改良量の大きさ、⑦有限遺伝子座モデルを選択した場合、シミュレーションに用いる選抜形質に関与する遺伝子の条件(遺伝子数、優性度、初期頻度、染色体上の間隔等)
次に、選抜候補個体の中から次世代の種畜を選抜するための制限付き選抜法のプログラムを作成した。プログラムは、次の制限付き選抜に対応するものとした。①制限付きBLUP法(AR-BLUP法)、②制限付きBLUP法(PR-BLUP法)、③改良目標から経済的重み付け値を逆算する方法、④線形計画法を適用した交配組み合わせ法、⑤コントロール(制限付き選抜指数法および無作為選抜)
ここで作成した制限付き選抜のためのサブルーチン副プログラムの一部を、先に作成した選抜と交配のためのシミュレーション主プログラムに組み込むことにより、シミュレーションによる一連の制限付き選抜法による選抜反応を予測することができる。ただし、これらのプログラム作成の一部は、次年度も引き続き行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

わが国における純粋種の種豚を育種改良する方法として、あらかじめ改良したい複数形質の育種目標値を設定し、現在の集団平均と目標値との差をバランス良く選抜していく制限付き選抜法が広く用いられている。この方法は、演算手法が極めて複雑で、膨大なメモリと演算時間を必要とするため、制限付きBLUP法における改良量の予測理論等の検証は未だ不十分であり、汎用性のあるプログラムも存在しない。そこで本年度は、①制限付きBLUP法における改良量の予測理論等を検証するためのモンテカルロ法によるコンピュータシミュレーションプログラムを作成するとともに、②選抜候補個体の中から次世代の種畜を選抜するための制限付き選抜法のプログラムを作成した。この両者を組み合わせて実行することにより、制限付きBLUP法における改良量の予測理論等の検証が可能になる。
当初の予定通り、上述したコンピュータシミュレーションプロクラムを作成することができた。これにより、次年度以降計画していた、①制限付きBLUP法における予測理論の検証が可能になるとともに、②制限付きBLUP法による汎用プログラムを作成する上で有用なツールとなることが期待される。

今後の研究の推進方策

制限付きBLUP法における予測理論を検証するため、本年度作成したコンピュータシミュレーションプログラムを実行することにより、選抜反応を予測する。具体的には、シミュレーションプログラムを異なる遺伝子型値の発生モデル(有限遺伝子座モデルまたは無限遺伝子座モデル、集団のサイズ(交配に用いる繁殖豚の雄と雌の頭数)、一腹から選抜候補豚として育成される雄と雌の頭数、改良したい形質数、改良したい形質における遺伝的パラメーター(遺伝率、遺伝相関および環境相関)などの条件を変えることでプログラムを実行することにより、コントロール集団を含めた様々な制限付き選抜における選抜反応を予測する。
なお、1条件あたり1000~2000反復のシミュレーションでは、コンピュータ1台あたり数年を要すると考えられる。そこで、集団のサイズや改良形質は、育種改良の現場に即したものとして、1年程度ですべての計算が完了するように条件を絞り込む。
各条件下において、様々な制限付き選抜によるシミュレーション予測の結果を比較し、選抜法の違いによる得失を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

本年度は、データの取りまとめが予定よりも早く順調に推移・終了したことなどから、主に人件費で繰越金額443,915円が発生した。しかし、次年度はコンピュータシミュレーションによる膨大な結果を処理するとともに、それをまとめるためのルーチンワークが必要である。また、当該分野における多くの研究者との情報交換および研究結果の発信が必要不可欠である。特に、本研究の中核となる制限付き選抜法に関する研究には、国内外に多くの研究者が携わっている。そのため、本年度の繰越金となった研究費は、次年度の研究費と併せて、結果の取りまとめのための人件費および学会発表や研究打ち合わせのための旅費に用いる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 豚系統造成において近親交配の回避が選抜反応および近交度に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤正寛
    • 雑誌名

      日本養豚学会誌

      巻: 49 ページ: 143-149

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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