本研究では、背脂肪の厚い梅山豚種と薄いランドレース種間で見られるアミノ酸置換を伴う多型が多量体形成及び脂肪量との関係を解明することを目的とした。 単量体から多量体に及ぶ多様な血液中アディポネクチン分子を認識可能な抗ブタモノクローナル抗体の作出に成功した。また、ELISAによる血液中アディポネクチン濃度測定法を確立した。ランドレース型及び梅山豚型アディポネクチンの強制発現試験、更にランドレース及び梅山豚の血清試料を用いたウェスタンブロットの結果から両者のアディポネクチン多量体に明確な違いはなかった。しかしながら遺伝子発現同様、血清アディポネクチン量は背脂肪の厚い豚で低いことが明らかになった。
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