研究課題/領域番号 |
24580423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
阿閉 泰郎 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90151084)
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研究分担者 |
齋藤 正一郎 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (60325371)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 比較神経解剖学 / 鳥類 / 脳科学 |
研究概要 |
【目的】鳥類の大脳外套の投射神経細胞の基本は哺乳類大脳皮質と同様グルタミン酸作動性である。本研究は鳥類の脳内のグルタミン酸作動性神経細胞を形態的に調べ、その神経連絡回路を解明することである。グルタミン酸作動性神経細胞を同定するために、2型小胞性グルタミン酸トランスポーター(VGLUT-2)あるいはグルタミン酸受容体のmRNAを利用したin situ hybridization法により研究を進めた。in situ hybridizationではグルタミン酸作動性神経細胞の細胞体の分布を観察できるが、その投射先は確認できない。そのため、順行性と逆行性の性質を有するトレーサーを利用した神経路標識法も合わせて行った。 【成果】今年の研究は鳩では聴覚系と嗅覚系を調べ、ゼブラフィンチでは脳全体を検索した。研究成果は以下の学会でポスター発表を行った。(学会発表蘭参照)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鳩とゼブラフィンチの脳でグルタミン酸作動性神経細胞の分布を把握することができた。この成果はまだ一部ではあるが、計画が一歩前進した。 1)鳩 蝸牛神経節細胞がグルタミン酸作動性神経細胞の可能性が高く、またグルタミン酸作動性神経細胞が関与すると思われる嗅皮質を同定することができた。 2)ゼブラフィンチ グルタミン酸作動性神経細胞は脳内に広く分布しており、特に歌回路に多くかかわっていることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
予測される神経連絡の一部が解明できたが、まだ広範囲な部位で手着かずのままである。グルタミン酸受容体の分布も一部しか解明できていない。今後はin situ hybridizationに使用するvGluT2と受容体のプローブの精度を挙げることでより詳細で、広範囲でグルタミン酸作動性神経細胞の神経回路を見出せるものと考える。またin situ hybridizationと線維連絡法を組み合わせることで、より確実な成果を得ることが期待できる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画 1)消耗品:in situ hybridizationと線維連絡法で使用する試薬、ガラス器具を購入。 2)旅費:研究成果を発表するための国内学会旅費(日本解剖学会、日本神経科学学会)
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