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2014 年度 実績報告書

黄砂・ナノ粒子の生体影響:多重曝露後のナノ粒子の挙動

研究課題

研究課題/領域番号 24580425
研究機関麻布大学

研究代表者

島田 章則  麻布大学, その他部局等, 教授 (20216055)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード黄砂 / ナノ粒子 / 空気血液関門 / サイトカイン / 活性酸素種 / 血液胎盤関門
研究実績の概要

黄砂およびPM2.5の頻度および車両の交通量増加に伴う浮遊粒子状物質(黄砂、排気ガス中のナノ粒子)の健康への影響を検討する目的で、平成26年度は、粒子曝露後の肺組織傷害発生機序における炎症性サイトカインおよび活性酸素種の関与について着目した。
黄砂粒子および金ナノ粒子を気道内に曝露されたマウスの肺では、急性の限局的な炎症が観察された。その炎症は、肺胞マクロファージ、Ⅰ型肺胞上皮細胞、血管内皮細胞における炎症性サイトカイン(IL-6 および TNF-α)や酸化ストレスマーカー(Cu/Zn SOD および iNOS)の強い発現を伴っていた。電子顕微鏡的検索では、肺胞壁の崩壊、I型肺胞上皮細胞および血管内皮細胞におけるエンドサイトーシス像の亢進および金ナノ粒子のエンドサイト小胞内の存在が示された。これらの所見から、炎症下の肺組織では、気道に曝露されたナノ粒子が血液空気関門を突破しやすくなることが示唆された。
この結果から、循環血液中のナノ粒子の挙動に注目し、妊娠マウスの血中に金ナノ粒子を投与し、母体ならびに胎児の組織傷害の有無、金ナノ粒子の臓器・組織内での局在を解析した。組織傷害を示唆する所見はどの臓器にも認められなかった。金属分析(ICP-MS:誘導結合プラズマ質量分析)の結果、母体の肝臓および胎盤にのみ金ナノ粒子の蓄積が認められた。検出可能なレベルの金ナノ粒子は胎児の諸臓器からは検出されなかった。電顕解析により、金ナノ粒子を曝露された個体の血液胎盤関門(胎盤)の合胞体性栄養膜細胞および血管内皮細胞にエンドサイト小胞の増加が認められた。これらの所見から、金ナノ粒子の曝露により、妊娠マウスの血液胎盤関門においてクラスリンおよびカベオリン小胞によるエンドサイトーシスが亢進することが示唆された。

備考

病理学研究室ホームページ
https://sites.google.com/site/azabuenvironmentalpathology/jiao-yuan-gou-cheng/jiao-shou

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Demonstration of the clathrin- and caveolin-mediated endocytosis at the maternal-fetal barrier in mouse placenta after intravenous administration of gold nanoparticles.2014

    • 著者名/発表者名
      Rattanapiyopituki K, Shimada A, Morita T, Sakurai M, Asano A, Hasegawa T, Inoue K, Takano H.
    • 雑誌名

      J Vet Med Sci

      巻: 76 ページ: 377-387

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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