研究実績の概要 |
1.拡張MHC領域の構造解析 ニホンウズラ主要組織適合性複合体領域(拡張MhcCoja領域)のもっともセントロメア寄りにBG/LEC亜領域に隣接するTRIM亜領域(5遺伝子座)を同定した.またもっともテロメア寄りにMHC class I亜領域に隣接するCD1亜領域(6遺伝子座)を同定した.これら亜領域の位置関係はニワトリと相同であったが,CD1亜領域の下流にニワトリでは染色体上の位置が特定されていない精子尾部構成タンパク質をコードするODF3遺伝子2座位を確認した. 2.多型カタログの作成 (1)高密度DNA多型マーカーの設計:セントロメア側より順に,TRIM亜領域に4種類(HEP21:Ⅰ,TRIM39.2:Ⅱ,BTN1およびBTN2:Ⅲ),MHC class IIB亜領域に3種類(DCB1, TAPBPおよびDBB1:Ⅳ),MHC class I亜領域に4種類(DMB1:Ⅴ,DMB2:Ⅵ,TAP1およびTPA2:Ⅶ),CD1亜領域に2種類(CD1.1およびCD1.2),約300-kbの領域に計13種類のDNA多型マーカーを構築した. (2)ハプロタイプ解析:これら13マーカーのうちDCB1~TAPBP~DBB1,DMB1~DMB2,TAP1~TAP2およびCD1.1~CD1.2は,それぞれハプロタイプブロックを形成していることを考慮し,羽装等の異なる6系統270個体を供試してマーカーⅠ~Ⅶのタイピングに基づきハプロタイプを解析し,ⅢとⅣおよびⅣとⅤの間に組換え領域が存在することを示唆した. (3)各ハプロタイプの遺伝子構造の比較:DBB1~Tapasin~DCB1,DMB1~DMB2,TAP1~TAP2およびCD1.1~CD1.2の構造は主要8ハプロタイプで共通していた.しかし,RT-PCR産物の機能的MHC class IIB遺伝子座の数にハプロタイプ間差が示唆された.
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