本研究では、まず、新規転写因子PRX1とPRX2の特異抗体を作製し、下垂体の発生過程における発現変動を解析し、PRX1とPRX2が胎仔期の下垂体に出現する事を初めて示した。と同時に、何れも下垂体周辺に存在する間葉系細胞の中にそれぞれの陽性細胞が存在し、胎仔期に下垂体内に進入することを明らかにした。一方、PRX1とPRX2の機能を解析する実験系を検討する中で、下垂体腫瘍由来の株化細胞を調べることで、TtT/GF細胞がPRX1とPRX2を発現する事を、初めて同定した。その細胞を他の下垂体腫瘍由来の株化細胞と比較すると、TtT/GFを含めて、幹細胞性の特性を示すことも観察した。
|