研究課題/領域番号 |
24580440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小川 健司 独立行政法人理化学研究所, 分子リガンド探索研究チーム, 専任研究員 (50251418)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Activin A / TGF-β / マクロファージ / 自然免疫 / TLR |
研究概要 |
本研究は、自然免疫と獲得免疫の双方に重要な役割を持つマクロファージにおけるActivin A の発現調節機構を明らかにする事を目標とする。自然免疫応答時にマクロファージが産生するActivin A のオートクラインループやオルタネーティブ活性化に対するActivin A の生理作用を分子レベルで解明するための研究を行った。 3%Thioglycolateを腹腔内に投与したBALB/cマウスから、3日後に単離した腹腔内マクロファージをToll-like receptors (TLRs; TLR4、TLR7およびTLR9)のリガンド(それぞれLPS、R848およびCpGオリゴヌクレオタイド)で刺激し、Activin AおよびTGF-β1のmRNA発現、タンパク質産生、活性の分泌の経時的変化を、リアルタイムRT-PCRおよびバイオアッセイを用いて検討した。その結果、マクロファージがTLRsの刺激を受けて活性化するとActivin Aを産生することが明らかとなった。このActivin Aの産生は、mRNAレベルで調節されている事が示された。一方、TGF-β1 の発現はTLRs刺激によって抑制された。次に、マクロファージが産生するActivinの機能を検討する目的で、TLR-7刺激を受けたマクロファージからRNAを抽出し、Microarray解析を行った。その結果、活性化マクロファージが産生するActivin Aは、少なくとも一部はオートクラインによってマクロファージ自身に作用し、免疫応答に重要な遺伝子の発現を調節している事が明らかとなった。これらの結果から、Activinは自然免疫応答に重要な働きをする因子であると考えられ、免疫抑制作用を有するTGF-β1とは明確な役割分担をしている可能性が浮き彫りになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究目標として、オートクラインループやオルタネーティブ活性化に対するActivin A の生理作用を分子レベルで解明を上げていたが、この部分に就いては、概ね達成出来たものと考えられる。来年度以降に展開する予定の高速評価系の構築への足がかりを得られた事は評価に値するが、評価系をより高精度なものとするために、引き続きオートクラインループの詳細な検討をしなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
マクロファージにおけるActivin Aのオートクラインループの解明 マウスから単離した初代培養マクロファージを抗Activin A中和抗体の存在下または非存在下においてTLRリガンドで刺激し、24時間後のRNAをMicroarray法で解析し、Activin Aの中和によって発現量が減少する遺伝子を同定する。ここで得られた遺伝子の発現の変化をリアルタイムRT-PCRで経時的に詳細に検討し、Activin Aのオートクラインループを解明する。 Activin/TGF-β作用を可視化する高速評価系の開発(アッセイ系の確立) 本研究では、基礎研究で得られた成果を基に、生細胞を用いて化合物の生物機能を解析する高速評価系(ハイスループットスクリーニング)を開発する。この評価系は、本研究の応用段階で重要な自然免疫応答やオルタネーティブ活性化を誘導あるいは阻害する機能性化合物の探索に重要であると同時に、将来の有用な創薬基盤としての価値が期待できるものである。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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